アンダルシア田舎滞在記。素敵な邸宅と手作りパエリアに癒されて~スペイン ロンダ~

■アンダルシア アンダルシア。そこは赤茶けたカスティーリャの大地を抜けオリーブの木々が点在するスペイン南部の自治州。 どことなくエキゾチックな香りのするその名の通り、アンダルシアはかつてキリスト教徒によるレコンキスタ(再征服運動)から逃れてきたイスラム教徒たちが最後に留まった地。街のあちらこちらにはアラブの影響が色濃く残り、ヨーロッパ文化にアラブのスパイスが加わってとてもエキゾチック。今回は、そんなアンダルシアの小さな田舎街に滞在することにしました。 ■ロンダの素敵な邸宅ホテル ロンダはアンダルシアに点在する街の中でも一際こぢんまりとした街。駅から乗ったタクシーはガタピシいいながら曲がりくねった路地を進み、一軒の白い家の前で止まりました。 ハルディン・デ・ラ・ムラージャは、わずか5部屋のみの邸宅を改装したホテル。アンダルシアに典型的な白壁の建物は、かつてアラブの山賊の族長が所有していたこともあるそう。玄関にはアラブ風の装飾、中は吹き抜けとなり、天窓からは柔らかい日差しが降り注いできます。フロントに飾られた古時計や様々な骨董品は、この邸宅が歩んできた歴史を物語っているよう。 今回泊まった部屋は2階部分にある一室。カードキーが主流になった今時珍しい、存在感のある鍵を差し込むと、重厚な扉はガチャッと大きな音を立て開きました。部屋はアラブ風ともヨーロッパ風ともとれる古風で不思議な快適空間。広々としたベッドルームには大きなクローゼットもあり、バスルームにはまるでアラブの王族が使っていたような大きな鏡が。

一段落すると、街の散策に出てみることにしました。曲がりくねった細い路地には白壁の家々が並び、あちらこちらのバルからは陽気な笑い声が聞こえてきます。

比較的平坦な丘陵地帯に突如現れた渓谷と台地。その断崖絶壁の上にできた絶景のロンダは、人々の生活の気配が漂う石畳の路地裏や、男たちが集うバルのひしめく楽しげな広場だけでなく、その先に広がりをみせる豊かな自然や田園の雄大な眺めも大きな魅力のひとつ。 ■お手製の絶品パエリア ランチは、陽気なオーナーのホセさんがお手製のパエリアを作ってくれることになっていました。もちろん追加料金なんて野暮なことは言いません。なんでも、いつもゲストの滞在中に一度はパエリアを作って振る舞っているのだとか。 このパエリアが、また驚くほどに絶品!ホテルの玄関を開けるとお米の炊ける良い香りが……。 魚市場は閉まっていたからと、今日は新鮮な鶏肉と野菜市場から仕入れたばかりのパプリカやキノコ類のパエリア。ホセさんの愛情たっぷりパエリアは、見た目は店のもののようにはいかないまでも、一口頬張ると誰もが笑顔になってしまうほどの絶品。チキンの旨みが沁み出たスープを少し多めに米に含ませ、しっとりしながらも米はアルデンテ。巨大な鍋いっぱいのパエリアを、夢中でたいらげていまいました。 ■ロンダの朝 朝起きると、階下からはホセさんの聴くオペラの音楽が流れ、パンの焼ける香ばしい匂いが漂っています。秋の深まるロンダは少し肌寒くなってくる時期。暖炉の前に贅沢に陣取り、今朝方庭で採れたばかりの甘いトマトをペースト状にし、これまた庭で摘んできたバジルを散らしたシンプルなトースト、そして銀ポットに並々と注がれた温かい紅茶の朝食を頂きます。 ハルディン・デ・ラ・ムラージャはロンダの田園風景と一体化したような広々とした庭も魅力。雨上がりのクリアな空気の中、愛犬のジュリーとガルロッタと一緒に庭を散歩していると、フロントに飾る花を探しに来たホセさんがザクロとスミレをプレゼントしてくれました。 不思議と心の落ち着く、この居心地の良さは何だろう。壊れたテレビに閉まりにくい扉、秋の深まるアンダルシアには、部屋に一台のデロンギヒーターだけでは肌寒い。全てが整ったハイクラスの大型ホテルに比べると設備はお粗末としか言いようがないけれど、ここには高性能なホテルをもってしても及ばない、ほっこりする癒しのエッセンスがあるのです。間違いのないサービスやラグジュアリーな空間の代わりに、くしゃっと笑うホセさんの笑顔がなにより極上のおもてなし。ひとたびこのホテルで時を過ごせば、ロンダが心の故郷になること間違いないでしょう。 ◆Hotel Jardín de la Muralla 13, Espíritu Santo Street – RONDA 29.400 Tel +34 952 87 27 64 http://www.jardindelamuralla.com/en/index.php ________________________________________ 実際の旅行記&旅のエッセンスが詰まったブログ公開しています! “元添乗員の国外逃亡旅行記”

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